昔のドラマの最終回ってどうなの
「傷だらけの天使」「熱中時代」「探偵物語」「プロハンター」「新・必殺仕置人」。数あるテレビドラマの中で、私が夢中になり、後の私の人生にも影響を与えたと言っても良いほどの番組である。この様なドラマの主人公、その他出演キャストは本当に軽快でカッコ良い。ドラマ主人公達の少し悪ぶっているところ、しかし実は凄く真面目なところが見えると、それがたまらなく面白く、特に小学校の頃は、各ドラマを再放送で観ている時期に、出演者のしゃべり方や仕草を真似たりしていた。そして、そのうち、そのドラマの中での仲間に入りたくなっていたものである。「傷だらけの天使」を観ている時は、小暮修(萩原健一)、乾亮(水谷豊)と一緒にペントハウスに住んで、綾部探偵事務所にも入りたかったし、「熱中時代」の時は、小学校の先生になって、北野広大(水谷豊)や小糸桃子(志穂美悦子)達と天城順三郎(船越英二)の家に住みたかった。どうしても叶わなかったのは、喫煙である。「探偵物語」の工藤俊作(松田優作)や、「プロハンター」の水原淳(藤竜也)の吸うタバコの姿がカッコよかったので、凄く真似をしたかったが、当時は小中校生だったので、「いつかタバコを吸ったら、この方達みたくカッコ良く吸うぜ!!」と夢見ていた。また、水原はドラマの中でよくガムを噛んでいたので、週末は水原の真似をしてガムばかり噛んでいた。「新・必殺仕置人」の念仏の鉄(山崎努)のようになりたくて、通販で握力強化マシンを購入したこともあった。これらの大好きなドラマを観た後は、どんなに嫌なことがあっても元気になった。どんなに困難な状況にいても、そのこと自体を楽しんでいる、ドラマの中の主人公達の生き様を参考していたからである。だから、生き方の手本となっている、そのドラマが最終回になるのは本当に嫌なものであった。また、当時のドラマの最終回は「なぜ、こんなにも、悲しく終わらせてしまわないとならないのであろうか。」と考えさせられる内容が多かったので、より、最終回は迎えたくなかったのである。「傷だらけの天使」では綾部社長(岸田今日子)の海外逃亡の際、小暮修を誘うが、修は風邪の亮を心配になり、綾部社長のもとへ行く途中で引き返し、自宅に戻ったのに、亮は死亡してしまった。修は友と仕事、これまでの楽しい生活を失うかたちとなる。「熱中時代」では、北野広大は兄のSOSで北海道に帰ることとなり、心の通っている生徒(来年度も受け持つ予定だった)と別れ、小糸先生にも思いを告げることも出来ず、これまでの東京生活の全てを断ち切り、1人北海道へ帰る。「探偵物語」では工藤はイレズミや飯塚を殺されたことに復習するために、人を刺し続け、殺人犯となり、最後は逆に自分が小馬鹿にした店員に刺されてしまう(おそらく死亡)。「プロハンター」は五島(柴田恭平)を殺されたことから、水原と竜崎(草刈正雄)が人を刺し続け、殺人犯となり、最後は南の島へ逃亡(おそらく逮捕される)。「新・必殺仕置人」では念仏の鉄は商売道具となっていた右腕を焼かれ、腹を刺され死亡し、巳与松(中村 嘉葎雄)は拷問で廃人となり、仕置人チームは解散。中村主水(藤田まこと)は唯一心を許していた自分を裏家業へ引っ張りこんだ仲間、鉄を失うこととなる。なぜ、ドラマの中での楽しい時間は続かないのか。何故死亡や逮捕で全てを終わらせてしまう必要があるのか。何故ずっと笑っていてはいけないのか。今まで通りの仲間と今まで通りの生活が続き、そのままテレビの放送だけが終わって、「彼らはいつまでのこのカッコ良い生活を続けているのかなぁ~、続編は作られないのかな。」では、いけないのか。今でも、この5つの作品をDVDで観ると、最終回だけはどうしても観ること(受け入れること)が出来ないのである。
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