中村主水シリーズ
必殺シリーズは、「中村主水が出演するシリーズ」と「出演していないシリーズ」に分けることが出来る。中村主水シリーズは、必殺シリーズ第二弾「仕置人」にて、棺桶の錠が持って来た事件をきっかけに、主水と鉄が話し合い裏家業を続けることを誓ったことから始まる。必殺シリーズの中からこの中村主水シリーズを放映順に並べると「仕置人」、「仕留人」、「仕置屋稼業」、「仕業人」、「新、仕置人」、「商売人」、「仕事人」となる。様々なエピソードを個性的な仲間と裏の仕事を繰り返し、生き抜く中村主水。特に初期段階の各物語の繋がりはどうなっていたのかとても気になるので改めて纏めて見た。
主水の最初の出演作、「仕置人」が終了し、その後始まった「仕留人」の第一話で、中村主水が半次とおきんの2人と再会する。主水が2人に「もう1度裏稼業をやりたい。」と言ったところから話しは始まるので、仕留人は仕置人からの続きとなる。また、その後の主水、半次、おきん3人の会話でも「鉄や錠も江戸に帰って来ているかも。」と仕置人の出演者の名前を挙げていることから、「仕置人」→「仕留人」は完全に繋がっていると言える。
次に「仕留人」から「仕置屋稼業」への繋がりはどうか。仕留人が終了し、その後に始まった「仕置屋稼業」では、「仕留人」の話しは一切出ていない。第一話で髪結いの「おこう」が主水に「あんた仕置人ですね?」と言っていることから、「仕置屋稼業」は「仕置人」の続きと考えられるが、「おこう」の言っている「仕置人」は鉄と錠のいた仕置人のことなのであろうか?仕置屋稼業の第一話で主水が捨三を尋ねた際に、捨三は再開を喜び、主水からの調査依頼に対して「旦那、また、始めるんですかい?」と答える。捨三の態度は主水にとても忠実であり、仕置屋を始める際には自分から印玄にも声を掛けている。その後の捨三の調査方法や変装術を見ても、捨三は以前、主水と組んで裏稼業を行なっていたのではないか?と充分に考えれられる。おそらくだが、「おこう」の言う「仕置人」とは鉄や錠と組んでいたチームとは異なり、主水が捨三を仲間にしていた別の裏稼業チームがあったと想像が出来る。これらの話しから見ても「仕留人」が幕末であった時代背景を抜きに考えても「仕留人」からいきなり「仕置屋稼業」へとの直接の繋がりは考え辛い。
では次に、「仕置屋稼業」から「仕業人」はどうか。「仕置屋稼業」の最終話で市松を逃がしたことで主水は「仕業人」で牢番に降格しており、また、「仕業人」の第一話で赤井剣之介が「市松と会った。」と言っていること、更に「おこう」との約束通り主水は裏稼業を続けていることから、完全に「仕置屋稼業」→「仕業人」は繋がっている。(間に主水が出演していない必殺シリーズも挟んで放映をしていない)
その後、主水と鉄が再開を果たす「新、仕置人」は鉄との再会から「仕置人」→「新、仕置人」は繋がっているが、「新、仕置人」の第一話で、主水と鉄が赤井剣之介の話しをしていることから、「仕業人」→「新、仕置人」も繋がっている。
「新、仕置人」終了後、「商売人」で主水は正八とチームを組んでいることから、「新、仕置人」→「商売人」も繋がっている。従って、ここまでのシリーズの繋がりを纏めると
「仕置人」→「仕留人」//
「仕置屋稼業」→「仕業人」→「新、仕置人」→「商売人」//
「仕置人」→「新、仕置人」となる。
あえて時代の背景は抜きにして、主水の目線でシリーズのシリーズ第2弾「仕置人」から第10弾「新、仕置人」までの繋がりと追って行くと、
① 錠の持って来た話しをきっかけに、主水、鉄、錠、半次、おきんの5人で「仕置人チームを結成」。主水以外のメンバーの手配書が回り解散。
② 主水が半次、おきんと再開し、糸井貢、村雨の大吉を加え、5人で「仕留人チームと結成」。糸井の死により解散。
③ その後、捨三と何かしらのメンバーを組んだ裏稼業を経て、おこうの誘いにより、市松、印玄、捨三と4人(おこうは元締め的な役割)で「仕置屋稼業チームと結成」。おこう、印玄の死、市松の逃亡により解散。
④ おこうの遺言通り、裏の仕事を捨三、やいとや又右衛門と続けていたところに、市松に主水の話しを聞いた赤井剣之介とお歌が加わり、5人で「仕業人チームを結成」。又衛門の落としたおみくじがきっかけで手配が回り、剣之介、お歌が死に解散。
⑤ 剣之介の死後、裏の仕事を離れていたが、「虎の会」に主水の命が落札されたことで、鉄が主水を助けるために現れ2人は再会。元から鉄の仲間であった巳代松、おてい、正八の5人で「新仕置人チームを結成」。辰蔵の反乱、鉄の死、巳与松の再起不能により、解散。そして、「商売人」と繋がって行く。
「新、必殺仕置人」で必殺シリーズの前半が終わったような、そんな気がしている。
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